新人看護師は、憧れの職業に就いたものの現実と理想のギャップが大きく挫折感を味わうことも多いでしょう。与えられた業務をこなすのが精一杯で、患者や同僚に対する気遣いをする余裕を失い、自己嫌悪に陥ることもあります。まだ1年目で医療に関する知識も浅く、先輩看護師や患者から注意されて落ち込むこともあるかもしれません。しかしこうした悩みは、新人看護師共通であり、誰でも乗り越えなければならない壁と言えます。

もっとも、雑用に追われるばかりで、看護師に必要な基本的スキルを身につけるための勉強時間を取れないといった悩みを持つ場合は、環境の見直しが欠かせません。看護師は単純労働ではなく、日進月歩の医療スキルを備えたスペシャリストです。中規模以上の医療機関なら新人看護師の養成に力を入れる所も多いので、職場が出張として認める研修など、スキルアップの機会提供がある医療機関への転職を考える必要もあるでしょう。

1年目で転職先を探してもなかなか見つからないと言われますが、第2新卒を優先して採用する病院もあるので検討する価値はあります。また、1人で悩まずに他人に相談することも大切です。

日本看護協会は、働くナースの相談窓口を開設しました。ここは現役看護師のあらゆる悩みに対応する相談窓口で、新人看護師も気軽に相談できます。ただし悩みを相談したからといって簡単に解決法が見つかる訳ではありません。それでも、他人に悩みを打ち明けるだけで、かなり心理的負担を軽減できるでしょう。